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北稜地区の山奥に、乗り捨てられた救急車があるらしい


    1
 華羅皇学園のオカルト研究会部室は、一般の教室よりも広い。広い部室の一画で、怪談話に興じているのは、オカルト研究会としては実に正しい姿である。
「北稜自然の家からはじまったオリエンテーリングで、一三番目のポストを見つけると、帰り際に救急車が見つかるんだって。道から外れた森の間に、白い車体が見え隠れしているから、何かなーーーーて首を伸ばしたら……救急車だった。そう言っていた」
「『救急車』? なんでそんなものがあるの? 見間違えじゃない?」
「その子もそう思って、よく見たんだって。そうしたら、あちこち傷だらけで、芦屋市って書いてある救急車だったらしいよ。白い救急車なのに、あまり目にはつかないみたい。だって……血で真っ赤に染まって、白かったのは一部だけだったから」
 短い悲鳴があがる。話をしている生徒は満足そうに頷いた。いかにもオカルト研究会に相応しい活動をしているのを、見つけた人物がいた。副部長アーシェス・クロウである。
額を寄せあう学生たちの姿を見つけ、何事にも首を突っ込まずにはいられない体質のアーシェが覗きこんだ。
「芦屋市っていえば、この間救急車が一台行方不明になったって、テレビでやっていたよね」
 突然降ってわいた声に、額を集めていた一同はぎょっとして振り向いたが、見なれた金髪の少女の登場に、喜んで席を空けた。
「そんなニュースやっていたかなぁ? どのくらい前?」
 受験対策で新聞を読むことを課されている、高等部の生徒が身を乗り出した。怪談話として始まったのだが、アーシェの登場ですっかり事件がらみになってしまった。オカルト研究会でありながら、最も怪談を怖がるのが部長の海老塚汐であり、最も縁が無いのが、副部長のアーシェス・クロウだと言われている。アーシェはその性格ゆえ、霊でさえ避けるのだと噂されていた。
話をふったアーシェは、顎に手を当てて記憶を探った。
「確か、大事件な割には大きく報道されなかったと思う。あの時は……偉い人が集まるパーティーでテロリストが爆弾を仕掛けたり、大会社の番頭さんが男の子を刺し殺そうとして逆に逮捕されたり、って事件が重なってたからね。ワイドショー的には何処に行ったか分からない救急車より、身近な事件のほうが面白いってことなんじゃないかな」
 アーシェの日本に対する知識が若干いい加減なため、報道番組から仕入れる情報に歪みが生じていた。ただし、記憶力は正確で、行方不明の救急車は、大事件であるはずなのに、他の血なまぐさい事件に隠れてしまっていた。
「じゃあ、その救急車が、北稜地区に乗り捨てられていたってこと?」
「……そうなるわね」
「運搬していた病人と、救急隊は?」
「推測の域を出ないけど……たぶん全滅」
 最初に話をしていた少女が、途中で割って入った。話をすっかりアーシェに持っていかれてしまったので、少しおかんむりである。
「そこまでわかっているなら、警察に届け出ればいいわね。この話はもうおしまい。あーーーーあっ、せっかく、オカルトっぽいネタだと思ったのに」
 アーシェは、青い瞳で少女の横顔を凝視した。頬を膨らめているわけでも、唇を尖らせているわけでもない。だが、アーシェは少女の横顔から、気分を害してしまったことを察した。アーシェに罪はない。当然の情報を流しただけだ。アーシェが現れなければ、放課後をただ怪談話で盛り上がっただけだった。ほんの一時の、楽しい時間を台無しにしてしまった。
 アーシェは反省した。反省する必要もないのに反省した。人の良い所である。
 アーシェは行動した。頼まれてもいないのに行動した。アーシェが、アーシェたるゆえんである。
「よし! 決定! 救急車を探しに行きましょう! 大人たちが忘れているオカルト事件、私達で解決してやろうじゃないの」
 誰も望んでいなかった。たまたま居合わせた一同は、一斉に顔色を変えた。

     2
 アーシェス・クロウはただちに出発することを希望したが、部員たちの熱心な説得、あるいは泣き落としにかかり、後日勇士を募ることとした。

 北稜自然の家から始まるオリエンテーリングコース、一三番ポスト周辺に救急車が廃棄されているらしい。一三番ポストの位置はアーシェス・クロウが事前に北稜自然の家に問い合わせしてあるため、オリエンテーリングから始める必要はない。一三番ポストにまっすぐ向かうことができる。ただし、現場は車道もなく、救急車がどうやって入ったのか不思議に思われるような山深い場所である。現地につくには、けもの道と間違えるような狭い歩道を進むことになるだろう。
 時間帯は夜を選ぶ必要はないが、現地は昼でも薄暗い森の中である。オカルト研究会の部活動の一環であるから、夕方に近い時間帯になることが予想される。
 現在はただの噂で留まっており、芦屋市の消防局には通報されていない。華羅市の警察も同様である。

 自ら陣頭指揮をとることを切望したアーシェだが、当日は欠席となった。授業を堂々とサボり続けたつけを、清算する必要が生じたのである。端的に言えば、教師に呼び出された補習を命じられた。
「汐、研究会の皆に悪いから、私の代わりに行ってくれない?」
 オカルト研究会部長であり、アーシェとはきわめて深い絆を持つ海老塚汐に声をかけてみた。怖がりの汐が引き受けるはずはなかった。
「……嫌……でも、一緒に補習なら受けてあげる。どの教科?」
「数学と国語と歴史と地理と化学と……あとどれだったかな?」
 ほぼ、全教科だった。
「……アーシェ……私に本当に救急車を探しに行ってほしい?」
「できれば……一緒に補習受けて」
 実に珍しく、アーシェが汐に頭を下げた。汐は、アーシェの金色の頭部を楽しそうに撫でつけた。

 オカルト研究会の勇士は、廃棄された救急車に挑むこととなった。報道は、大きくは取り上げなかった。救急車が行方不明になった時、ある巨大グループ会社の従業員、十数人が死傷していた。大量の業魔を詰め込み、華羅市内の施設へ業魔を下ろした後、救急車は廃棄された。今まで発見されなかったのは、車体がほぼ血に染まり、薄暗い森の中では目立たなかったことに尽きる。
 ほとんどの業魔は連れ去られた。だが、車内からは時おり不気味な騒音が聞こえるらしい。



     1
 華羅市北稜地区の森の中で、中村玄奘(なかむら げんじょう)【a2666hp】は運転してきた大型のボックス車に背を預け、タバコに火をつけた。視線は森の奥、一点に注がれていた。
 ボックス車は北稜自然の家から借りだしてきたものである。オカルト研究会の名前を出すと、車の鍵と目的地への地図を渡してくれた。オカルト研究会は学生のサークルにすぎず、部長や副部長がしっかりしているわけでもないが、不思議とあちこちに影響力がある。今日も、そのおかげで手間が省けた。
 中村玄奘は、行方不明となっていた救急車と救急隊員の探索のために同行していたが、公務ではない。あくまで、オカルト研究会のサークル活動に便乗するだけである。医療事務に携わる者として、噂を聞いてしまった以上、放ってはおけなかったのだ。
 オカルト研究会の肝試しを兼ねている。つまり、辺りは既に闇に包まれていた。
 背後で、固い靴底が砂利を踏む音を背後で聞いた。助手席で地図を眺めていたはずの業魂、服部修太郎(はっとり しゅうたろう)【a7230gp】が近付いてきた。
「玄さん、やっぱりこの道で間違いなさそうだ。車でいけるのはここまでだぜ。目的の、オリエンテーリング13番ポストってのまで、まだ1キロ以上あるぜ」
「仕方ないでしょう。スーツとコートで山道を歩くのは気が進みませんけどね。歩道も見つけられないような場所に、救急車が放置されているというのなら、行ってみないわけにはいかないでしょう」
 近付いてきた足音に、中村玄奘はタバコを差し出した。服部修太郎が箱から一本引き抜くのを、気配で感じとる。
「しかしねぇ、この暗い中、地図と磁石だけで迷わねぇかな。俺達が先行するっていっても、中学生のお嬢ちゃん達もいるんだぜ」
「その心配はないでしょう。後発組にも、見える人がいますからね」
「『見える人』って?」
 中村玄奘は、一点を見つめたまま目をそらさなかった。服部修太郎に顎で示した。視線の先には、太い木があった。ぶら下がっていた。半透明の男は、まっすぐに中村玄奘を見つめ返していた。死者の霊である。森の中で首つり自殺をした男が、片腕を不自然にのばしていた。その方向に、救急車がある。中村玄奘は確信していた。
 霊でさえ、排除してくれるのを待ち望むような存在が、この先にいる。
 ボックス車の後部ドアが開いた。中村玄奘は、タバコを携帯灰皿に押し付け、服部修太郎の肩に手を置いた。普段は元気な業魂が青ざめて見えたが、気づかないふりをした。

 万が一業魔が関わっていた場合のことを想定し、森沢朗(もりさわ あきら)【a5044hp】は業魂の月形朔矢(つきがた さくや)【a5401gp】と供に先発する予定だった。想定される危険を事前に排除しようというのは、当然の選択だ。一見完璧とも見える計画が難航したのは、オカルト研究会の部員が、まだ8歳の月形朔矢を先行させることに反対したからである。どう説明しても納得させることは不可能であり、森沢朗は月形朔矢を抱きかかえるようにボックス車から強引に降りた。後には、同じように難航した須田陽一(すだ よういち)【a0842hp】が続いた。須田陽一の業魂は華羅皇学園中等部の現役学生であり、こちらは連れだすことに失敗していた。
「須田さん、輝夜さんは一緒じゃなくていいんですか?」
 須田陽一の業魂が、須田輝夜(すだ かぐや)【a0937gp】である。鍛えられた筋肉を躍動させながらボックス車のサイドドアーを閉め、須田陽一が肩をすくめた。過剰にまで鍛え上げられた筋肉は、一つ一つ名前が付けられているとまで噂されている。
「輝夜は現役の学生だからな。さすがに、肝試しの本隊が同級生を残して先発組ってわけにもいかないだろう。みんな、警戒しすぎだ。業魔なんてそういるものじゃない」
「だと、いいですけどね」
 タバコを消した中村玄奘が、最後の煙を吐き出しながら不景気な声を出した。ボックス車に寄りかかっていた。森沢朗が近付こうとすると、中村玄奘は黙って森の中を指した。霊体が、闇の中に浮かび上がって見えた。
「にーちゃん、いい加減においらを降ろしてくれ」
 森沢朗の脇に抱えられたままの月形朔矢がわめく。軽く謝罪してすぐに降ろしたが、月形朔矢が心配そうに、『にーちゃん』と呼ぶ男の顔を覗き込んだ。きっと、青ざめていたのだろう。月形朔矢が視線を追おうとしたため、小さいがぱっちりした目を、慌てて手で覆った。
「朔矢は見なくていい」
「どうせ、すぐに嫌というほどみることになりそうですけどね」
 中村玄奘が車に預けていた背中を剥がす。服部修太郎にうなずきかけ、森の奥へ足を向けた。霊がさし示した方向に。
「須田さん、やっぱり輝夜さんを連れてきたほうがいいんじゃないですか?」
 森沢朗はかなり本気で言ったのだが、須田陽一は朗らかに笑い返した。
「そんなことより、中村君は以前に会った時より筋肉ついているなあ。背中からでもわかる。今度、俺のジョニーと会わせてやろう」
 須田陽一は、力強く右腕を曲げた。筋肉に名前をつけているというのは、噂だけではなかったらしい。

     2
 片倉光(かたくら ひかる)【a3377hp】は、後発組を引率するために、ボックス車の車内に残った。大型車の車内は広かったが、12人は多すぎた。本来は定員オーバーである。先発組の5人が降りた後も、後部座席に7人では身の置き場もない。しかも、気がつけば片倉光以外は全員女性だった。時おり投げかけられる視線が気にならないはずはない。だが、むやみに反応するほど軽率でもなかった。
 片倉光が、オカルト研究会の若い部員に誘惑されることは決してない。肩に寄りかかった小野原小町(おのはら こまち)【a7021gp】がいる限り。死者に対する弔いの為と称して持参した日本酒を、既に飲み始めていた。早くも酔い始めているらしく、片倉光にしなだれかかっているのである。むしろ、視線が痛かったのだ。特に2人、宵闇の者でも業魂でもない人間のオカルト研究会部員が参加していた。須田輝夜を含めた3人の華羅皇学園中等部3年生の視線は、軽蔑としか思えなかった。
「小町、地図はどこだったかな?」
 日本酒の瓶に口をつけ、一口含んでから、小野原小町は楽しそうに笑った。
「主様、あたいがそんなの知るはずないやん」
「『知るはずない』って、さっき小町に渡しただろう。後発組の分は1枚しかないぞ」
「あの子らがもっとるやろ。どうせ、あたいらは後発やろ。時間まで、主様も飲んだらいいやん」
 日本酒の瓶が、片倉光に突き出された。半分ほど空けられていた。片倉光は受け取った。飲むためではない。小野原小町に飲まさないためである。
「さぁ、ぐぅっと」
「飲むか! 小町、いい加減に……」
 日本酒の瓶に蓋をした片倉光が、眉をひそめて動きを止めた。荷物のなかから、小野原小町はもう一本取り出したのだ。
「ウチにもいただけます?」
 片倉光が酒瓶を取りあげようと必死になっているのにも関わらず、おっとりした声で紙コップを差し出したのは、青空晴天(あおぞら からり)【a4363hp】だった。長い髪にゆったりした部屋着と長いスカートの、山歩きなどまるで想定していないような格好の美女である。片倉光の見る限り、本日の参加者の中で最も緊張感を欠いた人物である。
「おっ、いいよ。主様、見とれていないで、お酌せな」
 小野原小町が笑いながら手で指図する。
「誰が見とれてなんか……いえ、というのは青空さんがどうという意味ではなく、単に酒なんか飲んでいる場合ではないような……」
「主様、顔赤いで」
 身をよじって笑う小野原小町を睨みつけたが、顔が紅潮していることは否定しようもなかった。その間に、青空晴天は紙コップを持ったまま、澄んだ青い瞳で見つめていた。
「……どうぞ」
 片倉光は日本酒の蓋を開け、青空晴天にお酌した。
「ありがとう。ユー、いい子だねぇ」
 一口含んだだけで上機嫌になった青空晴天に頭をなでられた。片倉光が思わず視線をそらしたのは、目の前で大きな胸が揺れたからでは、断じてない。はずである。
 女子中学生達の視線が痛い。しかし、逃げることも出来ない。片倉光は、自分の心臓の鼓動を聞くという、貴重な経験をした。小野原小町が二本目の瓶を空にした後、空の瓶を転がし、片倉光に顔を近付けた。
「主様、残念やな。ハーレムタイムもここまでやで」
「『ハーレムタイム』ってなんだ?」
 青空晴天がコロコロと笑う。
「時間や」
 小野原小町の表情は、一升瓶を空にした直後はとは思えないほど、引き締まっていた。片倉光も気を引き締める。残念ながら、青空晴天はまだ笑い転げていた。

 青空浄化(あおぞら きゅあ)【a4652gp】は、今日の肝試しに参加する中では、華羅皇学園高等部からは唯一の参加者である。不安よりもむしろ期待に盛り上がる中等部の後輩たちに近寄った。
「アーシェと汐は来ないんだね」
 中等部の女子生徒は、二人が補習を受けていることを、なぜか嬉しそうな顔で話した。一人は心霊写真でも狙っているのかデジタルカメラを持ち、一人はビデオカメラを用意していた。
「今日、本当に何か出るかなー」
 上級生として余裕のあるところを見せようとした青空浄化だったが、楽しそうにはしゃぐ人間達の側で、暗い顔をした須田輝夜に気づいた。身長は低めだが、白い肌と時おり金色に輝いて見える大きな瞳が印象的な、可愛い少女である。先発した須田陽一と同行することを強く主張したが、オカルト研究会の現役学生として後発を命じられたのである。遅れたから機嫌が悪いわけではない。業魂と離れた須田陽一のことを、心配しているのだ。
「ごめん、輝夜ちゃん。須田さんのこと、心配だよね」
「まさか。心配なわけないでしょ。ただ、オカルト研究会の行事だって聞いているのに、引率のほうが多いってどういうことかなって、思っただけ。何かあるはずないよ。パパが、やられるはずないよ」
 須田輝夜は、自分に言い聞かせるかのように、『心配ない』と繰り返し呟いていた。須田陽一のことがよほど心配なのだ。相変わらずはしゃいでいる二人の後輩は放っておくことにして、青空浄化は小野原小町が放りだした地図を拾い上げ、車内灯に照らした。
 華羅皇学園の行事で、直接現地に行ったことがある。13番ポストは、その番号にあわせたかのように、気味の悪い場所に立っていた。地図の見方を間違えていない限り、約1キロである。直線距離であれば、街中であれば迷う心配はない。夜の山では、長すぎる。
「そろそろかな」
青空浄化が時計を見た。
「うん。行こう」
 須田輝夜が車のドアを開けた。先発組が出てから、20分が経過していた。

     3
 須田陽一は、あまりにも賑やかな北稜の森に驚いていた。賑やかに集まった人影は、全て死者の霊である。
 森の木立の間に、まるで先発組の5人を導くかのように、ある者は無表情に立ち、ある者は訴えかけるかのように見つめ、ある者は案内をするかのように手招いていた。
「みんな、見えているよな。俺だけじゃないよな」
「ああ。俺もそうだし、玄さんも、朗さん達も見えているよ」
 救急車を修理するための器具とバッテリー、投光機などを背負っていた服部修太郎は、さすがに足取りが重かった。見かねた須田陽一は、投光機を預かり、そのまま並行して細い山道を歩いた。先頭はコート姿で器用に山道を進む中村玄奘で、後ろには森沢朗が月形朔矢の手を引いて続いていた。森沢朗も、もう月形朔矢の目を塞ぐようなことはしなかった。
「こんなこと、今までにあったかい?」
「霊たちですら忌避する存在が、この先にいるのでしょう」
 中村玄奘が足を止め、振り返った。須田陽一の問いに答えるために立ち止ったのではなさそうだ。眼鏡を指先で押し上げた表情は、真剣そのものだった。
「どうした? 中村君?」
 眼鏡の奥で輝く中村玄奘の瞳は、質問した須田陽一ではなく自らの業魂に注がれていた。
「シュウ、地図を貸してください」
「いいけど、今じゃなきゃだめか? 地図なんかなくても迷うはずがないって言ったの、兄貴だぜ」
 両腕が塞がり、重い工具を運んでいた服部修太郎は、地図どころではないようだった。須田陽一が、服部修太郎の胸ポケットから折りたたまれた地図を引っ張り出す。手が胸筋の弾力を伝える。いい胸の筋肉だ。須田陽一の熱い視線が止まった。つい右腕をまくり、ジョニーを紹介したが、服部修太郎の表情はあまり嬉しそうではなかった。
 須田陽一の手から中村玄奘が地図を抜きとり、月形朔矢がヘッドライトで地図を照らす。森沢朗とお揃いのヘッドライトである。実に仲がいい。須田陽一は急に須田輝夜のことを思い出した。心配になった。一人になって、泣いているのではないだろうか。
「やはり……修太郎、救急車を修理するつもりでしょうが、諦めたほうがいいでしょうね」
「どうして? まだ救急車も見つかっていないんだぜ」
 中村玄奘が地図を持って説明を始めた。森沢朗と月形朔矢も身を乗り出して聞いていたが、須田陽一は後発組が気になってそれどころではなかった。きっと寂しがっている。『パパ、パパ』って泣いていなければいいが。須田陽一の頭では、須田輝夜は中等部の3年生ではなく、業魂として目の前に現れた時のままの姿だった。
「私達はここにいます。13番ポストはここです。おそらく、すぐに見えてくるでしょう。この付近に救急車があるという話が本当でも、こんな山道を走れるはずがない。ここまで、タイヤの痕も折れた木も見ませんでした。おそらく、救急車はこの道を走ってきたんでしょう」
 中村玄奘の指が、地図上、ポストの西側の崖地から、さらに上に伸びる。
「森林の管理道があります。舗装されて、整備された道ですから、救急車も十分走れます。証拠を隠滅するため、この道から、崖の下に放り投げられたんでしょう。崖を転がり、たまたま、13番ポストの近くで止まったんでしょう。他には考えようがありません。救急車は乗り捨てられただけではなく、投げ落とされたんです。30メートル以上は転落したはずです。原形を留めているとは思えません」
「救急車を投げるなんて、そんなことができる奴がいるのかな」
 森沢朗の問いに、中村玄奘が暗い声を出した。
「私は、タイガ警備の特殊車両を一人で持ち上げ、放り投げた業魔を見たことがありますよ」
「玄さんの言う通りかもしれないけど、それだって、やってみなくちゃ解らない」
 服部修太郎は、気合いを入れ直したかのように、荷物をしっかりと背負いなおした。
「俺も手伝います。須田さんだっていますし。ねぇ」
 森沢朗に突然声をかけられ、須田陽一は驚いた。ずっと、後ろを見ていたのだ。後発組が今にも来そうな気がしていた。
「ああ。力仕事なら任せてくれ」
 須田陽一は、ジョニーにぐっと力を入れてから、4人を追いかけた。

 北稜の森、オリエンテーリング13番ポストは、不気味な洞窟の脇に立っていることで知られていた。中村玄奘は、13のマークが入ったポストに寄りかかり、ひしゃげた救急車を見つめていた。案内を終えた霊たちは退散していた。一同が救急車を発見するや、霧となって消えてしまった。服部修太郎がさっそく投光器を設置し、須田陽一と森沢朗に指示を出していた。月形朔矢も小さな体で頑張っている。タバコを一本ゆっくりと吸い終え、中村玄奘は救急車に近付いた。
 オカルト研究会の噂は、本物だったらしい。側面に芦屋市と書かれた白い車体が、森の中にうずくまるように止まっていた。車体はあちこちが凹み、赤黒く染まっているのは、泥ばかりではなく血がこびりついたものに見える。西側の崖地には、車が転がり落ちたことによる、破壊の痕が見えた。救急車は何度も回転したのだろうが、底部を下にして、巨木に脇を押さえこまれるような形で佇んでいた。
 車体の一部が焼け焦げ、樹木にも煤がこびり付いている。火を噴いたのだろう。サイドのドアは木の幹で押され、大きく凹んでいた。運転席は後部とは切り離された構造になっていたが、運転席にも人影はない。救急隊員が乗り降りし、患者を搬出する、後部の扉を開ける以外、中の様子を知る方法はないだろう。
「エンジンから火を噴いたな。山火事にはならなかったが、整備でどうにかできる状態じゃない」
「解っていたことでしょう」
 ほぼ、中村玄奘の推測した通りだった。服部修太郎は、整備道具を手に肩を落とした。中村玄奘は、須田陽一と森沢朗、月形朔矢を呼びながら、救急車の後部に回った。
 あちこちぶつかったのだろう、車体が変形し、後部の扉ははじけ飛ばず、一緒に変形していた。左右に開く、救急車独特の扉だが、中央の鍵となるつなぎ目はひしゃげて使い物にならない。要は、変形して喰い込んだ金属を引きはがすだけの力があれば、扉は開きそうだ。
「シュウ、バールがありますか? 素手では開きそうにない」
 修理工具を片付けていた服部修太郎は、暗い表情のままバールを手に取った。
「力仕事なら、俺に任せろ」
 須田陽一が指を鳴らした。投光機を担いで移動させる。エンジンがある前部から、扉がある後部に。変形した扉が、投光機が投げかける明かりに浮かびあがる。あまりにも、痛々しく見えた。
「須田さん、中村さん、待ってください。居ますよ。中に」
 森沢朗は、8歳の子どもで、業魂である月形朔矢と手をつないでいた。暗いことをさし置いても、深く、濃い瞳をしていた。霊技を使っているのだろう。
「業魔、でしょうね」
「音でしかわかりませんけど、たぶん」
 森の中から、中学生たちの悲鳴が聞こえていた。怖がっているというより、楽しそうだ。服部修太郎も森沢朗も、渋い顔をした。最も危険な時に、追いついてきた。須田陽一だけは、嬉しそうだった。
「シュウ」
「はいよ、玄さん」
 中村玄奘と森沢朗が、それぞれ業魂と一体化する。須田陽一は、扉の前で仁王立ちした。左右から促されるにも関わらず、扉の前で須田輝夜の到着を待った。草むらをかき分けて現れた一団から、的確に背の低い少女を見つけ出し、抱きつき、ののしられていた。
「須田さん、頼みます」
 中村玄奘の声に、須田陽一は力こぶを作って見せた。
「任せろ。輝夜、どっちが怖がるか勝負だ。覚えているよな」
「家事一週間だろ。わかっているよ」
 別人のような明るい表情で、須田陽一が救急車の変形した扉に手をかけた。

     4
 救急車の扉を開ける瞬間に間に会ったことに、青空浄化は胸を撫で下ろした。一番盛り上がる瞬間なのだ。同時に、カメラを抱えてはしゃいでいる中等部のオカルト研究会生のことを思い出した。
 須田陽一の筋肉が盛り上がり、救急車の扉から軋んだ音が上がる。その脇で中村玄奘と森沢朗は、すでに一体化している。片倉光と小野原小町が、学生たちを守るように前にいた。須田輝夜は須田陽一の背中に張り付くように覗きこんでいるが、これは仕方あるまい。青空晴天が、目を瞑って青空浄化の肩にしがみついているが、これもまぁ、仕方ないだろう。
 救急車の扉は、開くのではなく外れて落ちた。投光機の強力な光に、内部が照らし出される。
 立ち上がる、血まみれの人影が、変形を始めた。その影が、背後から伸びた手に、引き戻された。後方に倒れた人影の、肩が消える。何者かが、噛みつき、食いちぎった。胸に噛みつき、内臓がこぼれる。腹を喰らい、業命石が転がる。
 その左右で、二体の人型が立ちあがった。一体が足を喰らわれ、倒れる。一体が腰を喰われ、崩れる。
 その中央に、顔面だけが奇妙に肥大した、手足の長い不気味な業魔がいた。戦闘体型なのだろう、常人の上半身ほどもある膨らんだ顔に、口が極端に大きく、牙が上下に並ぶ。周囲にいるのも、やはり業魔だ。一体の業魔に喰われ、倒れ、回復し、立ち上がり、また喰われる。延々と繰り返していたのだろう。だから、救急車から出なかったのだ。中央の一体は業魔を喰らい続け、他の業魔は喰われ続けていたのだ。
 甲高い悲鳴を上げたのは、青空晴天だった。
 キミは見ていないじゃないか。とは思いながら、カメラを構えたまま硬直して声も出せない中等部の人間達に覆いかぶさり、伏せさせた。
「青空さん、二人を頼む。小町」
「わかっとるがな」
 小野原小町が、巨大な鎌に変化する。青空晴天はどういうわけか中等部の二人にしがみついていたが、青空浄化はその隙に、二人が持つカメラとビデオのメモリーを消去し始めた。
 
 須田陽一は、正面から見ることになった。
復元を続ける業魔を喰らい続ける、頭部の大きな業魔の瞳が、開け放たれた扉の外へ向かう。立ち上がろうとする業魔をさらに喰らいながら、業魔は振り返るのではなく首を縦に回転させることで、不自然な位置にある目の視点を合わせた。
 想像していたあらゆる情景を越えた凄惨な様子に、中村玄奘も森沢朗も、反応が遅れた。
 業魔が動く。須田陽一の目の前に、水死体のようにぶわぶわと、通常の10倍もの大きさに膨れ上がった巨大な顔面が迫った。口が開き、鋭く長い牙が、須田陽一の頭部を飲み込もうとしていた。
 鍛え上げた両腕で、突き離そうとする。須田陽一の頭部が、業魔の牙で挟まれつつあった。上下から、牙が迫る。力を入れる両腕に、痛みが走った。業魔の爪が筋肉を破った。業魔の口が閉じる。鮮血が舞った。
「輝夜!」
 ほんの一瞬のことだった。何があったのかもわからなかった。須田陽一は尻もちをつき、閉じた業魔の口の中から、須田輝夜の半身が、ぼとりと落ちるのを見た。
 森沢朗が業魔に抱きつくように跳びかかり、中村玄奘が一体化したガントレットで殴りかかった。挟撃を受け、業魔が転倒する。中村玄奘が馬乗りになり、肥大した不気味な顔を殴りつける。何度も、何度も、殴りつける。業魔が手足をばたつかせ、鋭い爪で中村玄奘の体に傷をつくる。コートを穴だらけにしながら、まるで痛みを感じていないかのように、業魔の顔を殴りつける。自分が傷つくことなどお構いなしに、ただ殴ることだけに意識を集中させているようだった。
 業魔の顔が崩れ、苦しげに口を開く。巨大な口、鋭い牙の間に、華羅皇学園の制服が、消えようとした。
 須田陽一は動けなかった。あまりに突然のことに、何が起こっているのかも解らなかった。業魔の開いた口に、森沢朗が跳び込んだ。口が閉ざされれば、須田輝夜と同じように、食いちぎられる。承知の上で、跳び込んだ。
 口が閉じないよう、中村玄奘が業魔の上顎と下顎を押さえつけた。牙でさらに傷つく。
手と足に穴が空き、鮮血が飛び散ることさえ、無視してのけた。
「捕まえた!」
 業魔の口の中から、森沢朗が叫ぶのが聞こえた。
 何を? 須田輝夜の半身に決まっている。須田陽一は、尻で火薬が爆発でもしたかのように跳び起きた。須田輝夜は業魂だ。魂命石さえ無事なら、まだ助けられる。
「須田さん、早く!」
 一体化しても、宵闇の者の筋力は変わらない。中村玄奘が苦しそうな声を出した。普段の冷静な男に戻ったのだ。森沢朗の胸までが、業魔に呑まれていた。間違いなく業魔の牙により負傷しながら、それでも須田輝夜を助けようとしてくれている。
「森沢君、頼む!」
 思いがそのまま言葉に出た。業魔の口に跳び込んだ森沢朗の胴体を抱きかかえ、須田陽一が思い切り引っ張った。
 自らも出血しながら、森沢朗の両腕には、半身だけとなった須田輝夜が抱えられていた。

     5
 片倉光は、巨大な鎌となった小野原小町とともに、須田輝夜が食いちぎられる様を見ていた。須田輝夜が、助け出される様を見ていた。須田陽一が叫ぶように須田輝夜を抱き、森沢朗が尻を落とし、中村玄奘が力を抜く様を見ていた。
 業魔が跳ねるように起き上がる。鉤づめを森沢朗と中村玄奘の頭部に伸ばし、須田陽一の首に喰らいつこうとした。3つの刃が届く、まさに寸前だった。
「雷よ! 敵を貫け!」
 巨大な顔をした業魔がひっくり返る。森沢朗が馬乗りになった。業魔の業命石を発見したらしい。さらに暴れようとする業魔が、突然動かなくなった。森沢朗の手に、血よりも赤い業命石が握られていた。
 須田陽一に投げ渡される。既に一体化を果たした須田陽一は、業命石を自慢の握力で握りつぶした。
「ユー、やるじゃない」
 背後から、片倉光の背中をポンと叩く者がいた。振り返ると、怯えて女子中学生に抱きついていたはずの青空晴天が、にこにこして見返してきた。手に魂命石のあるナックルをしているところを見ると、一体化したのだろう。
「あの子たちは?」
 人間が二人、参加している。
「ウチが軽く撫でたら、寝ちゃった」
 可愛らしい声で、にっこりとほほ笑んだ。
「ああ……まあいいか」
 草むらに突っ伏していた中学生を見つけたが、風邪をひくぐらいで済むだろう。
「それより、まだ業魔が残っている。手強いのはさっきのだけだと思うが、油断はできないぜ」
「うん。だからぁ、ウチも参加するぅ」
 救急車の中では、消滅した業魔にむさぼられ続けていた業魔達が、うごめいていた。立ち上がろうとする個体もいる。男たちは、疲れ果てたように座っていた。負傷もしている。その間を、スキップしかねない勢いで、青空晴天が走って行った。
『主様、気を付けな。あの子、怖いで』
 小野原小町が頭の中で囁いた。
「うん。自分も、そんな気がするよ」
 業魔を殲滅するために、片倉光も青空晴天の後に続いた。

 救急車内に残った業魔は、人型とはいえまともに動ける状態ではなかった。負傷した森沢朗と中村玄奘は外で待機し、青空晴天と須田陽一が拳を振るった。片倉光は逃げ出した業魔を滅ぼすために監視していた。
 須田陽一は怒りを拳に載せ荒れ狂うように業魔をなぎ倒し、青空晴天は楽しんでいるようだった。
 
 業魔が片づいた後、森沢朗は一体化を解いた月形朔矢に治療してもらっていた。
「にーちゃん、無茶しすぎだ。腹に穴が空いてるぞ」
 月形朔矢は、小さな手を森沢朗の腹に当てていた。須田輝夜を救いだすことしか頭になかった。あの時は、痛いとも思わなかった。中村玄奘も同じように負傷しているはずだが、救急車の中を物色していた。生存者の手掛かりでも探しているのだろう。服部修太郎がずっとそばにいるところを見ると、やはり治療しているのかもしれない。
「咄嗟だったんだ。俺の怪我なんて、考えてもいなかった」
「にーちゃん、あのねーちゃんのこと好きなのか?」
「こ、子供には関係ありませんっ」
 思わず声が裏返った。月形朔矢は、見た目ほど子供ではない。森沢朗よりしっかりしているのではないかと思う時もある。しかし、それとは話が別だ。
 片倉光と小野原小町は、寝てしまった(あるいは無理やり寝かせられた)中等部の二人を運んでいた。青空晴天と青空浄化が生徒たちの持ちものであるカメラをいじり回していた。せっかく肝試しに来たのにただで帰すのは可哀想だから、証拠の写真を撮ろうということらしい。
「俺達を導いた霊は、どこに行ったんだろうな」
「たぶん、救急車に今まで助けられた霊たちだろうって、中村のにーちゃんが言っていたぞ。さっき、小町のねーちゃんが救急車に酒をかけていた。そのうち、ちゃんと弔うってさ」
「そうか。よかった」
 森沢朗は、救急車の脇で治療を受けていた。出血がひどかったため、月形朔矢の治療を受けるまでは朦朧としていた。大人たちの難しい話を理解している幼い弟の頭をくしゃくしゃと混ぜた。
「須田さんたちは?」
「にーちゃんが好きな? 冗談だよ。おいらを睨むなって。あっちだよ」
 草を踏む足音と共に、須田陽一と須田輝夜の会話が聞こえてきた。
「どっちがビビったかの勝負だろ? 負けたほうが家事一週間。俺は負けていない。でも、家事は一週間やる。それでいいだろ」
「良くない。家事をやるってことは、負けを認めたってことだろ? つまり、あたしの勝ちだ」
「扉が空いた時、輝夜の悲鳴を聞いたぞ。ちょっとだけど、声を出しただろ。俺は出さなかった」
 足音も声も徐々に近づいてくる。立ち聞きのようなことはしたくなかったが、動けないので仕方がない。
「声も出ないほどビビっただけだろ?」
「違う。ビビったわけじゃない。俺は負けていない」
「じゃあ、家事をやるなんて言うなよ」
「いや。それは俺がやる。一週間はな」
「訳がわからないよ」
「それより、ほらっ。朗君に、ちゃんと礼を言っておけよ」
 救急車の角から顔を出した二人と、目があった。須田陽一は、森沢朗の手をしっかりと握り、片付けがあるからと足早に去った。
「あの、朗、さっきの聞いていた?」
「うん。賭けのことだろ。大きな声で喋っていたから、聞こえた」
「陽一の奴、訳がわかんないよね」
「いや……」
 森沢朗が頭を掻いた。須田輝夜が、興味深そうにしゃがみ込む。大きな目が、綺麗だった。
「朗、わかるの?」
「須田さんは、きっと凄くビビったんだと思うよ。でも、ビビったのは、業魔にじゃない。輝夜ちゃんがいなくなっちゃうかもしれないって思って、そのことにビビったんだ。だから、家事をやるって言っているんだよ」
「へぇ、よくわかるね」
「俺もまぁ、須田さんと同じ理由で、ビビったからね」
 我ながら、遠回しな言い方だと思った。須田輝夜にどこまで伝わったかわからない。だが、須田輝夜は笑顔をみせた。森沢朗の手を握り、一言、礼を述べた。
                                    了



作品詳細
商品名 シナリオノベル クリエーター名 西王 明永
異界 西乃の異界
参加キャラクター 【a3377hp】片倉 光
【a7021gp】小野原 小町
【a2666hp】中村 玄奘
【a7230gp】服部 修太郎
【a0842hp】須田 陽一
【a0937gp】須田 輝夜
【a5044hp】森沢・朗
【a5401gp】月形・朔矢
【a4363hp】青空 晴天
【a4652gp】青空 浄化



この作品を作ったクリエーターの紹介(異界へ移動します)

詳細
【writer】 西王 明永
【最新更新日】 2011/06/13